真夜中のサイコパス
その日の放課後、私は学校を出てから、明日提出のプリントを教室の机の中に忘れたことに気づいて、学校に戻ってきた。


最近の私は悩みごとが多過ぎて、ついうっかりを繰り返している。


ああ、ダメだな自分。ちゃんとしなくちゃと、私は自分に言い聞かせて教室に戻ってきた。


まだ夕方で学校内は明るかったけど、一年三組の教室は浜中美澄の幽霊と会った場所で、なんだか怖い。


私の視界に一年三組の教室が入り込んできたとき、私の心の中で不安が広がっていった。


優子と二人で校舎に忍び込んだあの日みたいに、怖いことが起きなければいいなと、私は思った。


そして私が教室のドアに手をかけて開けようとしたとき、そのドアがひとりでにガラガラと開いていって、私は思わず小さな悲鳴を上げていた。
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