真夜中のサイコパス
(教室のドアが勝手に開いた……。
ウソでしょ……。
もしかして教室に浜中美澄の幽霊が……)
私がそんなことを思って、不安と恐怖に包まれていたとき、開いた教室のドアから長身の男子が顔見せた。
私はその人の顔を見て、ドキリとして息が詰まった。
教室のドアを開けたのは、私がずっと片想いを続けているクラスで一番のイケメン男子、須藤拓実だったからだ。
私は教室の入口で拓実と目が合い、言葉をなくして固まっていた。
こんなイベントがふいに起こることを私は少しも予想していなかった。
いつも遠くから見つめているだけの拓実がこんなに近くにいることで、私はまるで回りの空気を奪われたみたいに息が苦しくなっていた。
(どうして拓実君が教室にいたんだろう?
今は部活の時間なはずだよね。
こんなことって、本当にアクシデントで……)
教室のドアの前で固まっている私を見て、拓実が不思議そうな顔をして私に話しかけてきた。
「有島、どうした?
こんな時間に教室に来るなんて」
拓実に話しかけるなんて、私にとってはあり得ないくらいの大イベントだ。
いつもなら、それは空想の中の出来事で、私は空想の中の拓実君だけに何度も何度も話しかけていたのだから。
ウソでしょ……。
もしかして教室に浜中美澄の幽霊が……)
私がそんなことを思って、不安と恐怖に包まれていたとき、開いた教室のドアから長身の男子が顔見せた。
私はその人の顔を見て、ドキリとして息が詰まった。
教室のドアを開けたのは、私がずっと片想いを続けているクラスで一番のイケメン男子、須藤拓実だったからだ。
私は教室の入口で拓実と目が合い、言葉をなくして固まっていた。
こんなイベントがふいに起こることを私は少しも予想していなかった。
いつも遠くから見つめているだけの拓実がこんなに近くにいることで、私はまるで回りの空気を奪われたみたいに息が苦しくなっていた。
(どうして拓実君が教室にいたんだろう?
今は部活の時間なはずだよね。
こんなことって、本当にアクシデントで……)
教室のドアの前で固まっている私を見て、拓実が不思議そうな顔をして私に話しかけてきた。
「有島、どうした?
こんな時間に教室に来るなんて」
拓実に話しかけるなんて、私にとってはあり得ないくらいの大イベントだ。
いつもなら、それは空想の中の出来事で、私は空想の中の拓実君だけに何度も何度も話しかけていたのだから。