真夜中のサイコパス
私の声に拓実が振り返った。


そして拓実と私の目が合ったとき、私は不安と戸惑いで、頭の中がパニックになっていた。


私は拓実を呼び止めたものの、次に話しかける言葉を準備していなかった。


ただ意味もなく呼び止めただけの私を、拓実は変な風に思わないだろうか?


私をおかしな奴だと思って、嫌ったりしないだろうか?


私がそんなことを思っている最中、私の口からスラスラと拓実を褒めるような言葉が出てきた。


私が口にしているその言葉の内容を考えれば、私が拓実を好きだという気持ちが駄々漏れになっているだろう。


私は自分の本心を拓実に告げている浜中美澄に怒っていた。
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