真夜中のサイコパス
『有島咲良。

お前は木村菜々子が憎いんだろ?

本当は殺したいと思っているんだろ?』


私は浜中美澄のその声に心臓が飛び跳ねるほどドキリとしていた。


なぜこの状況のこのタイミングで、浜中美澄の声が聞こえてくるのか?


私は私に話しかけてくる浜中美澄の声を無視して、木村菜々子がいる階段の方へと歩き続けた。


『おい、有島咲良。

なにをカッコつけているんだ?

本当はお前が一番わかっているはずだろ?

自分の夢を叶えるために木村菜々子が邪魔なことを』


私は無視しても話しかけてくる浜中美澄の声にイライラしていた。


私は木村菜々子を邪魔だと思っていても、浜中美澄のようなサイコパスにはなれない。


だから私は木村菜々子を傷つけないし、浜中美澄のように邪魔者を排除するという考えは少しもない。


私は私で、浜中美澄ではないのだ。


私はそのことを心の中で強く思って、私の中にいる浜中美澄に話しかけていた。
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