真夜中のサイコパス
「キャー」という小さな悲鳴を上げながら、木村菜々子は階段を勢いよく転がり落ちていった。


私にはその様子がまるでスローモーションのように見えていた。


そして木村菜々子が階段の踊場まで落ちていって、その場から少しも動かなくなったとき、私は自分がしてしまったことの重大さを思い、体がカタカタと震えていた。


私は浜中美澄に体を支配されていたとはいえ、木村菜々子を階段から突き落としてしまったのだ。


それは決して許されることではなかった。


私は立派な犯罪者だ。


このことがバレたら、私はもう普通の高校生ではいられなくなるだろう。
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