真夜中のサイコパス
ピクリとも動かない木村菜々子を見ていて、彼女の頭から血が流れているのがわかった。


木村菜々子が死んでいるとは思わないけど、かなりのケガをさせてしまったことは確かだ。


もしもこの事件の犯人が私だとわかったならば、私は高校を退学になるかもしれない。


そしたら私はお父さんとお母さんに怒られるし、親戚中から冷たい目で見られるだろう。


高校を退学して、進んでいくはずだったルートから外れた私はどうなるだろう?


社会から弾かれるの?


もう普通の生活には戻れないの?


私がこれからのことを予測したとき、私の未来が急速にすべての可能性を失っていくことに私は気づいた。


今までの日常が、これからは一変してしまうかもしれない。


そして私はその日常に、二度と戻れないかもしれない。


そんな恐怖が私の心を包み込んでいた。
< 140 / 212 >

この作品をシェア

pagetop