真夜中のサイコパス
「やっぱり優子は冗談がキツイよ。

それじゃ優子はさ、死んだ浜中美澄が木村菜々子を階段から突き落としたって言うの?

無理無理……。

そんなことあり得ないよ」


「そうだよね。

そんなことがあるはずないよね」


優子はそうつぶやいて、ようやく私から目線を外した。


優子に疑われるのは正直、キツイ。


私はずっと優子と友達でいたいのに、友達でいられなくなってしまうから。


もしも優子と口をきかない高校生活があったとしたら、それはものすごくさみしくて、悲しくて、つらいものだ。


優子以外の友達では、私は今までみたいに自分らしく笑えない。


だからもう、木村菜々子の話は止めにして欲しい。


お願いだから、私に逃げ道を残して欲しい。
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