真夜中のサイコパス
「だけど菜々子は友達だよ。

すっげぇ仲がいい友達」


拓実がそう言って笑うのを私は見ていた。


そして私は拓実が言った『菜々子は友達』という言葉にホッとしていた。


二人の関係はまだ友達なんだと思いながら。


そしたら自然と笑みがこぼれた。


私の思いが粉々に砕かれることがなかったから。


「ねぇ、拓実君。

拓実君にもう一つだけ質問があるの」


また勝手に話し始めた自分に私は戸惑っていた。


浜中美澄はいつまでも私を困らせる。


どうにかして浜中美澄を私の中から消し去らなくては……。


「拓実君は私のことをどう思っているの？

教えて欲しい」


私は一番自分らしくないセリフを言っていた。


私に取りついている浜中美澄はどうかしている。


浜中美澄は私が拓実に嫌われれば良いと思っているのだろうか？
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