真夜中のサイコパス
自分が自分でなくなるとき
美澄が顔に火傷を負った事故からしばらく経って、学校をずっと休んでいた美澄が一年三組の教室にやってきた。


いつもなら、美澄が教室に入ってくると教室の雰囲気は明るくなり、みんなが美澄に話しかけてくる。


でも、その日はみんなが教室に入ってきた美澄に話しかけるのをためらっていた。


久しぶりに教室に入ってきた美澄の顔に笑顔はなかった。


その代わりに、美澄の右の頬から首にかけて、赤くただれた火傷の跡がくっきりと刻まれていた。


それを見たクラスメイトたちは、あの里山高校のアイドル、浜中美澄に起きた事故が気の毒過ぎて、教室内が笑えない雰囲気になっていた。


予期しない事故は一瞬にして、人の未来を変えてしまう。


あの浜中美澄があんな風になってしまうなんて……。


クラス全員が言葉にしなくても、同じことを考えていた。
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