真夜中のサイコパス
「美澄……。

どうしてここにいるの?」


朋子が顔をこわばらせながらそう言うと、美澄は不気味な笑みを浮かべて朋子に言った。


「だって約束だから。

午後七時にこの教室で朋子に会うのが」


「私を騙したの?

じゃあ、あの手紙は美澄が……」


「剛志君は手紙を書いたり、サプライズをするのが好きだもんね。

私はよく知ってるよ。

剛志君が大好きだったから」


美澄はそう言うと、右手にナイフを忍ばせながら、ゆっくりと朋子の方に歩いていった。


罪深き朋子を罰するのは自分だと思いながら。


朋子は自分を騙した美澄に激怒して、教室の入口で声を荒げて美澄に言った。


「こんなイタズラをしてなにが楽しいの?

もう私たちは友達じゃないんだからさ、もう私に構わないでよ。

美澄と関わってもろくなことないじゃん。

今の美澄には友達なんていないんだから」


朋子がそう言ったすぐ後に、美澄が朋子に言い返した。


「ずっと友達でいようね、なんて言っていた朋子の言葉は大ウソだった。

私はすっかり騙されていたよ。

朋子を親友だと思っていた。

だけどさ、それはバカな私の勘違いだったんだよね。

ずっと友達なんて、口先だけのウソだったんだよね」
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