真夜中のサイコパス
「いつまでも私が言ったことを覚えていて気持ち悪いよ。

美澄が不幸せだとしても、私は今、最高に幸せなんだよ。

もうね、私たちは同じ世界にはいないの。

美澄はずっと下の方に落ちていったんだよ」


朋子は感情的になって、自分の思っていることを美澄に伝えていたが、美澄は朋子に近づく歩みを止めなかった。


遠く離れて、交わらないはずの二人の世界が今、急激に近づきつつあった。


でもそのとき、朋子が美澄と交わることを強烈に拒否して、美澄に向かって、大声で叫んでいた。


「来ないで、美澄!

もう私に関わらないで!」


朋子がそう叫んだのとほぼ同時に、美澄が右手に忍ばせていたナイフを頭上高く振り上げていた。


朋子がそのことに驚いて目を見開いたとき、美澄は不気味な笑みを浮かべながら、右手に持ったそのナイフを朋子へと振り下ろした。
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