真夜中のサイコパス
「ねぇ、咲良。

もしかしたらファンタジー以外でも、咲良が木村菜々子に勝てる方法があるかもしれない。

だけどこれって、学校の都市伝説みたいな話だから、本当かどうかはわからないけど……」


私は優子が言ったその言葉に興味を持って顔を上げた。


私が木村菜々子に勝てるかもしれない学校の都市伝説?


それってなに?


私はそれを詳しく知りたい。


「ねぇ優子、私にその話を教えてよ」


「もしかして興味ある?」


「ある、ある。

めちゃくちゃあるよ。

この私が、木村菜々子に勝てるかもしれない方法があるなら、やってみたいと思うじゃん」


食いつき気味にそう言った私に優子はちょっと苦笑いをして引いていた。


だけど優子はいつもの優しそうな微笑みを私に見せると、私の顔をのぞき込んだ。
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