真夜中のサイコパス
（蛍光灯の明かりが消えた……。

こんなことイタズラでできっこない。

蛍光灯のスイッチは教室の中にしかないのだから……）


良くないなにかが起きる予感がした。


そしてそれと同時に私の体を寒気と恐怖が包み込んでいく。


普通ではあり得ないことが連続で起きたのは、この教室でなにかが起きる前触れだ。


私は不安と恐怖に震えながら、優子に早口でこう言った。


「優子、早くこの教室を出よう。

良くないなにかがきっと起きるよ。

この教室にいちゃいけない！

絶対に！」


「そうだね、咲良。

早く教室を出よう。

里山高校の都市伝説なんて、もうどうでもいいから！」


私たちは教室を出ることを決めると、駆け足で教室のドアの前に行き、教室のドアに手をかけた。


だけどそのとき、私の心を再び恐怖が支配する。


さっきまでは簡単に開いた教室のドアが、いくら力を込めても開かないのだ。


私は不安と焦りからパニックになって、悲鳴のような声で叫んでいた。


「開かない！

ドアが開かない！

どうして？

どうして開かないの？」


パニックになっている私につられて、優子の声もヒステリックになっていた。


「ドアが開かないってどういうこと？

そんなのってないよ！

私たち、この教室から出られないの？」


私は優子の言葉で更に不安になり、必死になって教室のドアを叩いていた。


「誰か助けて！

このドアを開けて！」


私は教室のドアを壊すくらいの勢いで、必死になってドアを叩いていた。


するとそのとき、私の背後から青白い光が広がって、真っ暗だった教室が少しだけ明るくなった。


私は教室内で起きた異常事態に気づくと、ドアを叩くのを止めて、後ろにいるはずのなにかに意識を集中させていた。
< 62 / 212 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop