真夜中のサイコパス
「私をここに呼び出したのは……、お前たちか?」


浜中美澄の幽霊の不気味な低い声が教室内に響いていた。


私は浜中美澄の幽霊が現れるこの状況を望んでいたはずなのに、いざこの状況が目の前に現れると、浜中美澄の幽霊が怖くて仕方がなかった。


浜中美澄の幽霊が私の恋を手助けしてくれることを、今の私には想像できない。


きっと彼女は悪霊なのだ。


未だに成仏できずにこの教室をさまよい続けている悪霊なのだ。


私は浜中美澄の幽霊から少しでも遠ざかりたかった。


でもそのとき、私のとなりに立っていた優子が予期せぬことを話し始めた。


「あなたをここに呼び出したのは私です。

私はあなたのウワサを聞いていたから。

あなたの力があれば、恋敵に勝って、恋が成就するって聞いていたから」


私は優子のその言葉を聞いてゾッとしていた。


優子は里山高校の都市伝説の真実を、まだ探ろうとしていたのだ。
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