真夜中のサイコパス
「私の友達の咲良を恋敵に勝たせて下さい。

咲良が大好きな人と付き合えるようにして下さい」


私は優子のその言葉を不安の中で聞いていた。


確かに私は、今、優子が言ったことを浜中美澄の幽霊に伝えるためにここに来た。


でも私は、浜中美澄の幽霊を見たときに、関わってはいけない相手だと本能的に感じていたのだ。


私は浜中美澄の幽霊に怯えながら、彼女のことを見つめていた。


浜中美澄の幽霊がなにを言い、どんな行動を起こすのか、私はそれが気になっていた。


「お前は恋敵に勝ちたいのか?」


浜中美澄の幽霊が私をギロリとにらんでそう言った。


「ならば、お前の体を私によこせ。

私が願いを叶えてやる」


私は浜中美澄の幽霊が言ったその言葉の意味をすぐには理解できなかった。


体をよこせってどういうこと?


私は今からどうなるの?


私は得体の知れない恐怖に包まれながら、浜中美澄の幽霊になにも言えずに、その場にじっと立ち尽くしていた。
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