真夜中のサイコパス
家に帰って、自分の部屋に戻ると制服から部屋着に着替えて、スマホでSNSをチェックするのが私の習慣だ。


私はいつものようにベッドに寝そべって、SNSのタイムラインを眺めていた。


私のお気に入りのフォロワーは、大好きなアイドルとお笑い芸人、そしてリアルな友達のアカウントだ。


そしてそのアカウントの投稿の中に恋人との写真があったりすると、私は堪らなくうらやましくなってしまう。


もしも私がSNSの投稿に拓実との2ショット写真を載せたなら、みんなが驚き、うらやましがるだろうか?


そしたら私は優越感に浸って、幸せな気持ちになれるだろうか?


だけど、SNSの投稿って、どうしてこんなに幸せそうな投稿ばかりなのだろう。


ああ、うらやましい。


私もみんなみたいに、こんな投稿をしてみたい。


私はそんなことを思いながら目を閉じた。


すると、私のまぶたの向こう側に大好きな須藤拓実の顔が浮かんでくる。


もしも彼に好きだと言われたなら、私はどれほどうれしいだろう。


空想の世界では何度も彼と話しているのに、私と彼との距離は想像以上に遠かった。


ズルしてでもいい。


誰かを傷つけても構わない。


私は須藤拓実の彼女になりたい。
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