真夜中のサイコパス
「私、優子が考えていることがわかるよ。

きっと私も同じことを考えているから」


私は優子にそう言った後、うつむいている優子に少しだけ目を向けた。


「もしかしたら、私の体の中に浜中美澄の幽霊が入り込んでいるのかもしれない……。

それで、私が寝ている間に、私の体を乗っ取たのかも……」


「ウソ……。

だけど、本当にそんなことがあるのかなぁ?」


「あの日の夜、優子も見たよね。

私の体の中に浜中美澄の幽霊が入っていったのを……。

あれって、その場限りの恐怖体験じゃなかったのかもしれない。

里山高校の都市伝説はまだ始まったばかりで……」


私が口にしたその可能性に私たちは怯えていた。


そしてこれから良くないなにかが起きる予感を、私たちは抱いていた。
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