真夜中のサイコパス
その日の二時間目の授業が終わったとき、私は激しい頭痛に襲われて、優子と二人で保健室に行った。


体調が悪くなることが少ない私なのに、こんなに体調が悪いことは珍しかった。


きっと私の心の中にある不安が原因で、体調が悪くなったのだろうと私は思った。


里山高校の保健の先生は安田という若い女の先生で、安田先生は具合が悪そうな私を見て心配していた。


「咲良さん。

頭痛がひどくなったのはいつ頃からなの?」


「二時間目の授業中に少しずつ頭が痛くなってきて、授業が終わる頃には、我慢ができないくらいに痛くなっていて……」


「そうなの。

風邪かもしれないわね。

次の授業は休んで、保健室で休むといいわ」


安田先生がそう言った後に、優子が私を心配してこう言った。


「咲良、授業なんて休んで、保健室で寝ていた方がいいよ。

体育の授業なんて無理でしょ」


私は私を心配してくれている優子のその言葉に、力なく微笑んで、小さくうなずいていた。


昨日から心の中に不安がたまり過ぎて、体調を悪くしたのかもしれない。


保健室のベッドで寝ていれば、きっと今よりは体も心も良くなっているだろう。


私は安田先生に言われた通りに三時間目の体育の授業を休んで、保健室で寝ていることにした。


優子は保健室のベッドで横になった私を見ると、軽く手を振り、微笑んで、保健室から出ていった。
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