哀・愛
「わかりました。
ではお願いしま「結構です」

と横から割って入る人影が…

柊木だ。

柊木は、私を隠れるようにして前に立った。

「お客様、ここは、水商売ではないんです。
それに、都原は、俺が家まで届けるんでご心配なく」

「あと…」とつぶやくと、柊木は男性の顔を近づけ思い切りにらみつけた。

「そんな脅迫にのるほど、この店は安くないし。
こいつを手渡すほど、俺は寛容じゃないんで。
そんなに飢えてんなら、他をあたってくれません?」

と言い放った。

そして、私の手をつかみ、つかつかと事務所に連れていかれた。
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