哀・愛
事務所に入ると、柊木は私の手をはなし、ドアのカギを閉めてくるっと後ろをむいた。

そして、ものすごく怖い顔で、仁王立ちで

「こんの、、、天然無自覚大馬鹿ヤローがっっっっ!!!!!!」

と怒鳴った。

「な、なんで、そんなに怒ってるの……」

「“なんで”だと…?
なんで怒られてるのか全くわかんねぇのか?」

ま、全くわかりません…

「お前が下心丸出しのおっさんに付いていこうとするからだろうが、バカが!
俺がバイトで入っていたから、助けられたものの、もしいなかったらどうするつもりだ!?あぁ!?」

やばい…

完全にキレていらっしゃる…

「そ、それは…」

「少しは危機感をもてよ!!この鈍感!!
ったく、お前は……っ!!」

と、柊木は言葉を詰まらせた。
< 63 / 114 >

この作品をシェア

pagetop