彼と私~出会ってくれてありがとう~
今日はクラスの役員決め
役員にはクラス全員が入らないといけないのだ
体育委員とか図書委員は仕事が多くて大変だと聞いたことがある
あまり目立たなくて楽な委員会ってないかな‥‥
さっそく学級委員長になったはるとくんが司会をやってる
「学芸員なりたい人?
みんなの宿題をチェックする仕事だよ!」
学芸員か
なんか目立たなくて良さそう
仕事も楽そうだし
「はい」
思いきって手をあげた
はるとくんは私をじっと見つめる
そして、
隣で書記をしていたみらいさんに
「あの子の名前なに?」
小声で言ったつもりだろう
普通に私まで聞こえていた
わかってはいたけど‥
私は存在すら知られてなかったんだ
「おけ!みゆさん学芸員ね!」
はるとくんは再び大きな声で言った
しばらく私は時がとまったかのようにボーッとしていた
当たり前だけどさ
私とははるとくんは住む世界が違うんだよ?
そう何度も自分に言い聞かせた