キミから「好き」と、聞けますように。
「だ、大丈夫?」
ひな、わたしが急にぼーっとしてしまったことを不思議に思っちゃったんだな。
まあ当然か。
「あっ、うん! 大丈夫!」
「紗雪が見てたの、綿菓子で合ってる?」
「うん、合ってるよ」
「オッケー、じゃあ綿菓子買お!」
ひなが、弾んだ声で先に駆け出していく。
「ちょっとひな、待ってよ〜」
別に食べたいってわけじゃなくて、あの時のことを思い出して、心の中で考えていたことで急に綿菓子を見て、ぼーっとしちゃっただけなんだけど……。
「綿菓子2個くださーい!」
わたしがひなを追いかけている間に、ひなはもうお姉さんに頼んでいる。
「はいよ! 1個300円!」
お姉さんに300円を払って、わたし達はおじさんから受け取った綿菓子を頬張る。
ふわふわだった綿菓子も、口に入れたらあっという間にじゅわっと溶けて、甘い味だけが残る。