キミから「好き」と、聞けますように。
いつも人を怒らせて、手間ばっかりかけて……!
もう……いっそ……! 耳が完全に聞こえない、ろう者でいた方がよかった……!
ろう者の人には、もちろん申し訳ないとわかっている。
わたしは、ろう者になったことがないからもちろんその人の気持ちなんてわからないけれど、耳が聞こえなかったら、悪口だって聞こえなかったし、こんなに『話を聞け』と怒られて傷つくことは少なかったはず。
もちろん、ろう者でも意地悪な人はいるだろうから、そういう人同士での嫌がらせはあったりすると思う。
けれど、聴覚情報処理障害よりもろう者の方が支援してもらいやすいのは確かだ。
まあ、そりゃあそうだろう。
世の中には、耳の聞こえ方では『聞こえる』と『聞こえない』のざっくり2つで分ける人もたくさんいるんだから。
……間違っては、いないんだけどね。
わたしだって、耳が悪いわけでない。1人で部屋にいたら、小さな音が聞こえたら反応するし、お母さんやひなと2人しかいない時は聞き返すこともあまりない。
けれど、聞こえても問題はあるものだ。
聞こえるのに内容を理解しづらい、となれば努力不足と扱われる。
そして、何回もそれが続けば反省をしない人間と思われてしまうのだ。