キミから「好き」と、聞けますように。

前夜祭が始まった。
先生から前夜祭のプログラムを配布され、わたし達は体育館へと向かう。


初めは、ダンスパーティーだった。
これは、ダンス部に所属している子もそうでない子も、事前に申込書に曲名と自分の名前を書いて提出すれば踊れるんだそうだ。


トップバッターは、なんとひなだった。



「長嶺さーん!」



「ひーなーたーちゃーん!」



「長嶺先輩かわいいですー!!」



元気な曲に合わせて、ぴょこぴょこと黒髪と一緒に踊る。
可愛い制服の衣装を着て、元気に踊るひなは、まるでどこかのアイドルのようだった。


クラスメイトやダンス部の部員が、手を振ったり声を上げて盛り上げていく。



「ひなー!」



わたしも、一緒に手を振って盛り上げた。


踊りが終わって、ひながお辞儀をした後でも『ワァー!』と歓声に包まれる体育館。



「長嶺さん、ありがとうございました! 続きまして、1年生の……」



ひながステージ上から姿を消すと、司会者の人がマイクで踊る人の名前と曲を紹介する。




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