キミから「好き」と、聞けますように。
他の人たちのダンスを見たり、ファッションショーや吹奏楽部の演奏もあった。
コントは面白くて、わたしもお腹が痛くなるくらい笑い、近くにいたひなも膝を叩いて笑っていた。
後ろの席にいた男の子達も、ゲラゲラと笑っていて、涙まで出ていた。
前夜祭が終わり、わたし達は教室へ戻って仕上げをする。
「みんな、明日着るエプロンはここに置いといて!」
スタバ風のエプロンを入れたナップザックが、隅に置かれている。
「メニューとか、直すとこない?」
「特にないんじゃない?」
「そうみたいだね。じゃあ看板も飾るよー」
みんなは、机を繋げたり看板を飾ったりして、どんどんスタバ風へと仕上げていく。
「材料とかももう全部足りてるよね?」
「大丈夫だと思うよ!」
次々と、確認が順調に終わっていく。
「よーし、もういい感じだろう」
「じゃ、他の準備がある人もいるだろうから流れ解散でいいですかー?」
「オッケーでーす!」
「ふぅ……なんとか間に合ってよかったねぇ」
「温森!」
いきなりわたしを呼んだ、東條くん。
「はいっ!?」
なんか東條くん、無表情で少し怖い。
……わたし、確認をどこか怠っていたかな……?
恐々としているわたしを見て、東條くんはニッと口角を上げた。
「明日、よろしくな」
「……うん!」
何か怖いことを言ってくるんじゃないかと思ってびっくりしたけど、違くてよかった。
……ううん、違う。
期待させるようなことも、言わないでよ。
こんなことを言われたら、わたしは忘れられない。
東條くんのせいで、集中できる自信なんかもうなくなったよ。