キミから「好き」と、聞けますように。
当日になり、わたし達はお客さん達に注文されたケーキやコーヒーなどを出していく。
「すいませーん、チーズケーキとアイスカフェラテお願いします!」
「は、はい! こちらチーズケーキです……って、紫杏ちゃん!?」
来てくれたのは、紫杏ちゃんだった。
あの時と同じように、キラキラと光るネックレスをつけている。
わたしが気づくと、紫杏ちゃんはニコッと笑いかけた。
「ふふっ、紗雪ちゃんこんにちは。来ちゃった!」
「こ、こんにちは! 来てくれたんだー」
わたしは思わず頭をペコっと下げてから、そう返す。
「寛太から連絡もらったんだよ」
そうか、2人はこうして連絡を取ったりもしているんだね。
「これ、アイスカフェラテな」
いつの間にか、真横には東條くんがアイスカフェラテを入れたカップを紫杏ちゃんのトレイに乗せた。
紫杏ちゃんは近くの席に、すとん、と座りながらチーズケーキを食べたりカフェラテを飲んだりしていて、茶色の目を大きく輝かせた。
「美味しい! 何、これ! チーズケーキも濃厚だし、カフェラテも最高!」
「ち、チーズケーキはわたしが作ったのっ」
「え、紗雪ちゃんが?」
紫杏ちゃんはわたしが作ったチーズケーキを眺めて、いっそう可愛い笑みを浮かべた。
「やばーい、紗雪ちゃんて本当、女子力の魂だねぇ」