キミから「好き」と、聞けますように。
「紗雪、一緒に帰ろ!」
翌日からまた学校が開始され、いつも通りの授業を受ける。
もう文化祭のカラフルな飾りは、当たり前だがどこにもない。
そんな中、放課後にひながいつものように髪の毛をぴょこぴょこと踊らせながら、誘ってくれた。
「うん!」
わたしとひなは、スクールバッグをカタカタと鳴らしながら、下校した。
……そういえば、3年間使っていたこのスクールバッグとも残りは半年もしないでお別れかぁ。
「あ! 偶然だね、紗雪ちゃん!」
明るい声の聞こえる方を見てみると、紫杏ちゃんの姿があった。
相変わらず、首にはネックレスがキラキラと光っている。
「紗雪ちゃんの、お友達?」
笑顔を絶やすことなく、ひなの方を見て尋ねる紫杏ちゃん。
「はい! 長嶺 陽葵、紗雪の1番の親友です!」
ひなは、紫杏ちゃんにVサインしながら自己紹介をする。
「里見 紫杏です、東條 寛太の幼なじみなの」
「ああ、あなたが! 話は聞いてるよ、東條くんの幼なじみって、あなただったんだ」
そういえば、紫杏ちゃんと知り合ったばかりの時にわたしがひなに電話で話したもんね。
……ところで、紫杏ちゃんがここら辺を歩いているところ、見たことないんだけど何しに来たんだろう。