キミから「好き」と、聞けますように。

「かっわいいー!」



紫杏ちゃんについていくと、キラキラしたネイルがたくさん売られていて、わたしもひなも思わず声を上げてしまった。

いくつも並んでいるそれは、どの色も輝いていて、まるで宝石箱みたい。



「どうしよう、このネイルチップもいいし、ジェルネイルもいいなー」



ネイルにもいろいろな種類があって、目移りしてしまう。


……あっ、これ可愛いな。
わたしが目にしたネイルチップは、ピンク色で、リボンまでついている。
こんな可愛いデザインがあるんだなぁ。



「あっ、わたし、これとか可愛くて好きかも!」



ひなが取ったのは、赤いハートがついているネイルチップで、すごく可愛い。まるでアイドルがコンサートにつけるようなデザインだ。



「わぁ、ひなに似合うと思うよ!」



「紗雪は選ばないの?」



「えっ? えーっと……」



一応見たけれど、どれも私には可愛すぎるとしか思えない。

わたしに合うようなネイルなんて、あるのかなぁ……。


そう考えると、やっぱりあると思えなくてお会計なんてする勇気が出ない。



「せっかく来たんだから、なんか買って行きなよ。どれも高くないし、たまには爪のおしゃれも楽しんでみようよ!」



ひながそう言ってくれるのは嬉しいけれど、わたしは紫杏ちゃんみたいなおしゃれが似合う女の子ではないしっ……。




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