キミから「好き」と、聞けますように。
『わたしの考え方が正しいと保証できるわけじゃないんだけどさ。東條くんが優しいのは、紗雪のハンデに理解があるからでしょ!』
最後の言葉を、ひなは強く放った。
「んん……!」
ひなの言うとおりだと思っている。
東條くんは、わたしが出会った男の子の中で初めてわたしの抱えているハンデに寄り添ってくれた人。
だから、ひなの言っていることは何も間違っていない。
そう言いたいのに、涙のせいで言葉にならない。
『ほら、最初に出会った頃のことを思い出してごらんよ?』
「最初に、出会った頃……?」
『ああ、少し間違えたかな。紗雪と東條くんがいつ出会ったかはわかんないけど、ほら、席替えの!』
「あっ……!」
ひながそう言った途端、あの時のことが頭の中で蘇ってきた。