キミから「好き」と、聞けますように。

あっという間に、鈴李さんのクリスマスライブの当落の日がやってきた。


クリスマスライブは2日間行われ、19日と20日。時間は、18時半から開演となるらしい。


わたしは、一息吸ってから当落がどうか確認してみる。
結果は、20日は落選だったが19日が当選だった。



「ひな! やったよ!」



「おめでとう! 紗雪!」



「うん、ありがとう……!」



わたしは、ひなと手を取り合って喜んだ。



「ふふっ……」



ひなと手を離した後、わたしの目は思わず全然ひなではない方向に行ってしまった。


やっぱり、目は東條くんを全く見ないわけにはいかないみたい。


わたしはチラリと東條くんを見てから逸らすと、ひなも一眼だけ見る。


けれど、ひなはすぐに笑顔を見せてくれた。



「楽しんでおいで! 推し活は大事だよ!」



「ひな。わたし、いい思い出を作ってくるからね」



ひなは、黙って頷いてくれた。




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