キミから「好き」と、聞けますように。

俺は、紫杏に言われるがままついていき、温森に渡すプレゼントを買った。



「ありがとう、紫杏。でも、なんでこんなことまで協力してくれたんだ?」



そのまま、昔よく行ってた公園に入った後、俺は思わず紫杏にそう聞いてしまった。



「……寛太が好きだったからに決まってるでしょ」



横を向きながら、切ない声でそう言う紫杏。



「好きな人が幸せになる協力くらいは、するわよ」



「お、俺が……?」



俺は、今までずっと気がつかなかった。

紫杏が、俺のことを好きだった?



「周りの男子から、補聴器を勝手にアクセサリー呼ばわりされてたの、寛太も覚えてるでしょ」



「……うん」



俺は、あの時のクソ男達を今でも許せない。

知らなかったといえど、勝手にアクセサリーと決めつける苛立ちは抑えられなかった。

だって、補聴器は紫杏にとって生きていく中で大事なものなんだから。



「そりゃあ好きになるよ。寛太だけだったんだもん、あたしのことあんなに守ってくれたたんだから」



「……俺も、なんでお前に対する気持ち、ちゃんと言わなかったんだろうなって思ったよ」



俺は、もう一度口を開いた。




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