キミから「好き」と、聞けますように。
あっという間に、バレンタインの時期となった。
もうあちらこちらのスイーツショップでは、ピンクのハートの風船だとか、バレンタインにおすすめのお菓子があったりする。
「あれぇ、お母さん。バレンタインメニュー、もうできたんだね」
お母さんのクレープ屋さんの看板を見ると、すでにもう期間限定のバレンタインメニューがあった。
「そうなのよ。紗雪も、最近期間限定のを作ってなかったし、久しぶりに作ってみる?」
「うん!」
ピンク色のイチゴアイス、焦茶色のブラウニー、そして真っ赤なイチゴを乗せて、チョコソースをかけていく。
最後は、クルクルと巻いて完成。
クレープを包む紙も、ピンクのハートがモチーフになっていてすごく可愛い。
「できたー!」
「ずいぶん上手くなったねー、紗雪」
「お母さんが教えてくれたからだよ!」
「せっかくだし、寛太くんのところに持っていってあげなさいよ」
「そうする」
わたしがそう頷くと、お母さんはクレープをきれいにラッピングしてくれた。