キミから「好き」と、聞けますように。
どこまで走っただろう。
わたしは、駅の近くのベンチに座り込んだ。
わたしが持っていたクレープを見てみると、いつの間にかイチゴアイスが溶けてしまっているみたい。
……当然か。
やけくそになったように、わたしはそのクレープを食べた。
甘酸っぱい恋の味、それと悲しくて切ない涙の味の連続攻撃が、わたしの心をもっと苦しくさせてくる。
「ふぅ……ううっ……」
クレープを食べれば食べるほど、どんどん涙は溢れていく。
クレープが小さくなればなるほど、どんどん涙は止まらなくなっていく。
「なんでっ……!」
なんで、こんなことになっちゃったんだろう。
どこでどうなっちゃったんだろう。
寛太の隣にいるのは、常にわたしじゃないとダメというわけじゃない。
寛太に、他の女の子と1秒でも関わってほしくないと思っているわけでもない。
それなのに、わたしに黙ってミノリちゃんに会っている。
別に今日は寛太と一緒に何かする予定を立てていたわけじゃないから、当然といえば当然なのは知っている。
けれど、どうにも溢れる涙を止めることはできなかった。
駅を出たり入ったりする人が、わたしのことをじろじろ見ながら通り過ぎていったけれど、そんなことは気にしていられなかった。