キミから「好き」と、聞けますように。
「手書き?」
確かに、手書きで書く必要あるのかって思う人もいるんだけど、わたしはちゃんと自分の字で書いておきたいんだよね。
「うん、自分で歌えるようにしたいなら、自分で書いたりした方が覚えるんじゃないかなって思って。テスト勉強も、書かないと覚えるの難しいじゃない?」
「テスト勉強とか、ヤな単語出すなよな、全くよー」
憎まれ口を叩きながら、東條くんはふふっと笑った。
「ふふっ、ごめん」
わたしも、反射的に謝りながら笑っているのがわかった。
……わ、笑った。
反射的に謝ることなら、すごくよくあることだったけれど、こうやって笑ったことなんてひなやお母さんの前以外ではそうそうなかったのに。