キミから「好き」と、聞けますように。
「ど、どうかしたの?」
着いた場所は、空き教室。
誰もいないけれど、そんなに他の人には言えないようなことがあるのだろうか。
「お、俺たち……」
なぜだか2人とも顔が真っ赤だ。
この部屋、暑いかなぁ?
そんなに暑くもないと思うけれど。
「俺たち、温森さんの……」
「うん?」
「温森さんが好きです!」
「えっ?」
す、好き……?
まさか、2人がわたしを!?
「その、ごめん。いきなり関わりが少なかった男2人に同時に告白なんてされて、戸惑うのは無理ないと思うんだけどっ」
田中くんが、一生懸命言葉を紡ぐ。
「温森さんは、どっちと付き合うとかある?」
橋本くんの言葉に、わたしは首を横に振った。
「ごめんなさい、わたし、お付き合いできません」
2人には申し訳ないけれど、わたしには寛太がいる。
2人の気持ちを踏みにじりたくはないけれど、わたしは寛太と一緒にいたい。