キミから「好き」と、聞けますように。
「お母さん!」
授業を終わらせて、わたしはお母さんの働いているクレープのお店へと行った。
「紗雪、おかえり」
そう言って、お母さんはクレープの材料を出したり確認したりしている。
「紗雪ー!」
遠くから、ひなの声が聞こえた。
そう、放課後に約束していた『あそこ』という場所はお母さんのクレープ屋さん。
「あっ、ひな!」
「まあ、陽葵ちゃん。こんにちは」
「紗雪のお母さーん、せっかくなので注文していいですか?」
「どうぞしていってちょうだい」
「じゃあ、バニラアイスチョコバナナで!」
……ひなが注文するくらいなら、わたしもしていった方がいいよね?
「お母さん、わたしはレアチーズイチゴ!」
「はーい」
お母さんは、せっせとひなとわたしの分のクレープを焼き始めた。
「それじゃ、ここなら別にしていいでしょ? 聞かせてよ、恋バナ」