キミから「好き」と、聞けますように。

東條くんの姪っ子は、わたしのところへトコトコと歩き、不思議そうな顔で見上げてきた。



「おねえちゃん、かんにいにとおともだち?」



ふふっ、かんにいに、かぁ。
可愛い呼び方だなぁ。

そうだよね、おじさんって感じよりもお兄ちゃんというイメージの方が強いだろうな。

わたしだって、もしこんなに可愛い姪っ子や甥っ子がいても、今はまだ『おばさん』と呼ばれるよりは、『おねえちゃん』の方が嬉しいな。



「そうだよ。おんなじ学校なの」



「七菜、お姉さんに自己紹介は?」



姪っ子と同じくらいに、屈みながら声をかける東條くん。


お姉さん、か。
東條くんに、お姉さん、と言われるなんてなんだかくすぐったい。



「とうじょうななです! 5さいです!」



東條くんの姪っ子・七菜ちゃんは、5本の指を出した手を見せながら、わたしに元気よく自己紹介してくれた。


東條 七菜ちゃん、かあ、
確かに、東條って苗字だからちゃんと彼との血も流れているんだね。


そう思いながら見ると、確かに……。
輪郭とか、歯並びが似ているかも。




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