キミから「好き」と、聞けますように。
あれから、1週間が経った。
いよいよ明日からテストが始まるので、座席もテストの順に並べる。
東條くんとわたしは、名前の順ではあまり離れていない。
むしろ結構近い。
わたしは1番後ろの席にいて、東條くんはその斜め前にいるので、目を合わせようと思えばわたしは簡単に東條くんの姿を見ることができる。
「はい、明日からこの状態でテストをするからな。分かってると思うけど、不正行為だなんてもってのほかだ。自分の力で、正々堂々とテストを受けるために、今日も家に帰ってしっかり勉強をしなさい」
座席をテストの順にしてから、先生がみんなの前でそう言う。
こういう定期テスト前の、先生の言葉はもう中学から聞いているものだから、いい加減耳にタコができそうだ。
「あぁ〜、とうとう来ちゃったね。憂鬱だぁ」
ホームルームが終わった後、ひなが半泣き状態でそう言った。
「あー絶対死ぬー!!」
「無理だって、あのテスト範囲広すぎるし赤点確定だよー!」
1人で大声を出している男子もいれば、女子同士で泣き言を言っている人たちで溢れかえる教室。
そんな中、東條くんは弱音を一切吐かずスタスタと教室を出た。
……やっぱり、東條くんみたいに勉強ができる人は、弱音を吐かないのかな。