キミから「好き」と、聞けますように。

今日は、テストの最終日だった。


無事、最後のテストも終わってみんなは一気に気が抜けたみたい。



「はぁー、やっと終わったぁー!!」



帰りのホームルームも終えて、わたしと一緒に教室を出るとぐーんと伸びをするひな。



「あはは、ひなお疲れさま」



「紗雪もお疲れさま」



上に上げていた両手を一気に、すとん、と下ろしながらひなはそう言った。



「ねね、せっかくだし、今日はどっか遊びに行かない?」



「うん!」



「さぁて、どこ行こっかー」



わたしが頷いた途端に、ひなは楽しそうに腕を組んだ。



「プリクラ撮りに行く?」



「うーん……悪くないけど……」



「じゃあー……カフェでケーキ食べるのはどう?」



「甘いのは確かに食べたいけど、カフェはちょっと違うかな……?」



甘いもので、カフェ以外に何かないかなぁ……。


お母さんのクレープ屋さんも、今日はよりによって定休日だしね……。



「うーん……。あっ、公園は? 確か売店があったはずだよ!」



「あっ、そうじゃん! よし、そこ行こう!」



ひなは、勢いよくスクールバッグを揺らしながら足を躍らせた。




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