キミから「好き」と、聞けますように。

わたし達は、いつもの帰り道とは違うところを通り、公園へと入って売店に向かう。


わたしもひなも、同じいちご味でコンデンスミルクをかけたソフトクリームを買って食べることにした。



「はあー、やっぱりテストで疲れた時のソフトクリームは格別だね!」



ひなはそう言って、ソフトクリームを舐め続ける。


わたしも、うんうん、と頷きながらソフトクリームの甘さと冷たさで疲れを追い出していく。



「あっ、さゆきちゃんだ!」



聞き覚えのある、かわいい声が耳に飛び込んできた。



「あっ、七菜ちゃん!」



そこには、七菜ちゃんが三つ編みを揺らしながら近づいてきた……のだけど、七菜ちゃんの親御さんらしき人の姿が見えない。



「1人で来たの?」



そういえば、七菜ちゃんはまだ5歳って言ってたよね?


……さすがに5歳児が1人で公園に行くのは危なすぎる気がするんだけど……。



「七菜ー」



少し離れた場所から、またもや聞き覚えのある声が聞こえてきた。



「かんにいに!」



東條くんが歩いてきている。


……よかった、東條くんが一緒だったのか。



「え、何? いろいろと、何がどうなってるの?」



七菜ちゃんが誰なのか、そして東條くんとどういう関係なのか全くわからないひなは、目を白黒とさせている。




< 45 / 183 >

この作品をシェア

pagetop