キミから「好き」と、聞けますように。
わたし達は、いつもの帰り道とは違うところを通り、公園へと入って売店に向かう。
わたしもひなも、同じいちご味でコンデンスミルクをかけたソフトクリームを買って食べることにした。
「はあー、やっぱりテストで疲れた時のソフトクリームは格別だね!」
ひなはそう言って、ソフトクリームを舐め続ける。
わたしも、うんうん、と頷きながらソフトクリームの甘さと冷たさで疲れを追い出していく。
「あっ、さゆきちゃんだ!」
聞き覚えのある、かわいい声が耳に飛び込んできた。
「あっ、七菜ちゃん!」
そこには、七菜ちゃんが三つ編みを揺らしながら近づいてきた……のだけど、七菜ちゃんの親御さんらしき人の姿が見えない。
「1人で来たの?」
そういえば、七菜ちゃんはまだ5歳って言ってたよね?
……さすがに5歳児が1人で公園に行くのは危なすぎる気がするんだけど……。
「七菜ー」
少し離れた場所から、またもや聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「かんにいに!」
東條くんが歩いてきている。
……よかった、東條くんが一緒だったのか。
「え、何? いろいろと、何がどうなってるの?」
七菜ちゃんが誰なのか、そして東條くんとどういう関係なのか全くわからないひなは、目を白黒とさせている。