キミから「好き」と、聞けますように。

「ひな。この子は、七菜ちゃんっていってね、東條くんの10歳差のお兄さんの子供なんだって!」



「さゆきちゃんのおともだち?」



七菜ちゃんは、ひなを見上げてはそう聞いている。



「そう! わたしの1番のお友達、長嶺 陽葵ちゃん」



「はじめまして、七菜ちゃん。長嶺 陽葵です。よろしくね」



いつもより声を柔らかくして、七菜ちゃんに自己紹介をするひな。



「はじめまして、とうじょうなな、5さいです!」



わたしと初めて会った時と同じように、七菜ちゃんはパーにした手をひなに見せた。


ひな、早速、七菜ちゃんに釘付けになっているのがよくわかる。


だって、もうすでに目がハートなんだもん。



「ソフトクリーム、たべてるの? かんにいに、ななもたべたーい」



わたし達がソフトクリームを食べているところを見ながら、七菜ちゃんは東條くんの服を引っ張りながら言った。



「お前なあ、さっきせんべい食べたばっかだろ」



「でもたべたいよぉ!」



「いいじゃない、東條くん! なんなら、わたしがソフトクリーム代払うよ? なーなちゃん、おいでー」



紗雪これ持ってて、と言ってわたしにまだ半分くらい残っているソフトクリームを渡してから、ひなは七菜ちゃんを連れてカウンターへ行った。



「うん!」



いや、2つのソフトクリームを両手にしているわたし、側から見たら絶対おかしいって……。

恥ずかしいな〜、もう。




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