キミから「好き」と、聞けますように。
「ったく、小さい体でよく食べる奴だ。本当に」
呆れた声で、東條くんは近くの椅子に腰掛けた。
「七菜ちゃん、おうちでもよく食べるの?」
わたしは、自分のソフトクリームを食べながら東條くんに問いかける。
「ん。あいつの『おかわり!』っていう声は何度聞いたことか……」
「お待たせー、紗雪。ありがとね、持っててくれて」
お会計を済ませた、ひなと七菜ちゃんが戻ってきたようだ。
ため息をつきながら、わたしはひなのソフトクリームを渡した。
カラフルなチョコスプレーがかかった、バニラ味のソフトクリームを、七菜ちゃんは小さな両手で大切に持っている。
「ひなたちゃん、ありがとう!」
「これくらい、全然いいのよー」
ご機嫌な調子で、さっきまでわたしに預けていたソフトクリームを舐め始めるひな。
東條くんは、はぁー、と息を吐いて手を額に当てては首を横に振っている。