キミから「好き」と、聞けますように。
「あ、そうそう。映画のことなんだけど……主題歌は好きなんだ。だから、ほら見て。もう書いちゃった」
温森がそう言いながら、あのスイーツ柄のメモ帳を取り出して、『恋する焚き火』の主題歌の歌詞が書かれたページを見せてきた。
「ああ、歌は聞いたのか」
「うん。歌を聞くことは大好きだから」
そういえば、カラオケに行った時、俺はボールズの歌を歌ったが、今回この恋する焚き火の主題歌も、このボールズのメンバーが作詞作曲したんだった。
っていうか、いろいろと温森って行動が早すぎるような気がする。
「……ね、ねぇ」
温森がいつの間にか、視線を俺に向けていたのに今では少し俯き加減になっている。
「また、カラオケ……。一緒に行ってくれる?」
「お、おう!」
……まさか、温森の方から俺にカラオケを誘ってくれるとは。
俺はなぜか分からないが、興奮していた。