キミから「好き」と、聞けますように。
その声と同時に、すらりと背の高い人たちが、ぞくぞくとやってきた。
「おお、お前ら」
戸田くんの知り合い? もしかして、今戸田くんの通っている高校の友達かな?
「ん? 誰この女」
1人のボーイッシュな女の子が、わたしに対して鋭く睨んできた。
「まさか、幸之助の彼女!?」
「ちげーよ、こいつの彼氏になんて死んでもなりたくねー」
「可愛いけど、中身そんなにやばいの?」
「やばいも何も、人の話を全く聞かねーんだよ」
あの時の苦しみが襲ってくる。
逃げ出したいけれど、足がうまく動かない……!
「聞き返しが多すぎて、まるで話になんねえ」
「それは確かに」
「一緒にいてもイライラするだけだな」
「幸之助、声デカい方だもんな」
わたしが固まっている間にも、あの時と同じようなことを言われ続け、思わず目に涙が浮かんだ。
大勢で、こんなことを知らない人にまで言われちゃうなんてっ……。
はやく、逃げなきゃいけないのに相変わらず足が動かない……!
「おい幸之助っ!」