キミから「好き」と、聞けますように。
「おお、ぬま……くん?」
急に大声をあげてきたのは、大沼涼くんだった。
彼は同じく、同じ小学校の頃の友達で確かこの2人は野球を習っていたんだっけ。
同じ野球チームだったけれど、いつも2人は仲が悪くて喧嘩ばっかりしていたから、コーチに叱られがちだったと、学校でも噂になっていた。
「お前なあ、いつになったらそういうとこ変わるんだよ!」
「はあ? お前はこいつ庇ってどうすんの?」
人目を気にせず、喧嘩を始める2人。
ど、どうしよう。こんなところで、喧嘩をしていたらカラオケの店員さんや、これから飲み物を取りに行く他のお客さんの迷惑になってしまう。
「温森どうした?」
後ろから、また別の声が聞こえてきた。
「あっ……東條くん……!」
この騒ぎを聞きつけたのか、東條くんが来てしまったようだ。
「え、東條じゃん」
「は? 戸田? それに、大沼……」
え、嘘……。
戸田くん、大沼くん、東條くん……。この3人って、知り合いなの?
「何、お前ら付き合ってんの?」
「と、東條くんとはそういう関係じゃ……!」
と、東條くんに、こんな事態を巻き込ませちゃうだなんて……!