キミから「好き」と、聞けますように。
第3章 君へ願い事

紗雪side


「と、東條くん……。昨日は、本当に、ごめんなさい……」



カラオケに行った翌日、学校でわたしに謝られた東條くんは、なぜだか面食らったような表情をしていた。



「昨日って?」



「カラオケの……」



昨日といえば、わたしと東條くんはカラオケでしかほとんど関わっていないと思うから、それくらいすぐに察することができると思うけど説明不足だったかな……。



「え、あのこと?」



「う、うん……」



「余計意味がわからない」



「……えっ!?」



一体、東條くんは何が分かっていないの?

それとも、わたし達、話は通じていないのかな?


『あのこと』という言葉は、戸田くん達のことだと思ってわたしは頷いたけど、ひょっとして違った?



「あれ、温森に悪い要素あったの?」



「それは、だって……」



どうしても、わたしは東條くんを巻き添えにしたくなかったのだ。




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