キミから「好き」と、聞けますように。
「どうしたの紗雪」
1限が終わった後のこと。
あの時のことで、わたしはずっとぼーっとしてしまったようで、ひなに変な目で見られてしまった。
「ひな……」
「なんかあった……?」
探るようなことを言われ、わたしは思わず体を小さく振るわせてしまった。
「ひな……。こないだ、カラオケで……。と、とだ……くん」
「とだ……くん……? えっ、戸田!? まさか、あの戸田?」
ひなも衝撃を受けたみたいで、かなり怖い顔をした。
「ま、まさか、あいつ……」
わたしが言いかけた言葉に鋭く反応したひなは、一気に目を釣り上げた。
ひなも、当然戸田くんの存在だって知っているし、わたしが昔戸田くんによく突き飛ばされていたことも知っている。
わたしが戸田くんに暴力を振るわれたことをひなに話したら、真っ先に先生に言ってくれたし、何度も割って入ってわたしを守ってくれた。
大体察しがついたようで、ひなは眉間にしわを寄せた。
「まさか……そんな目に遭うなんて……」
「それにね……」