キミから「好き」と、聞けますように。
……書いてしまった。
「えっ、紗雪。お菓子関係のことじゃなくていいの?」
わたしが書いた、水色の短冊を見ては目を丸くするひな。
「えっと……。あぁ……」
「まあそうだよねー、まだ学生だもんねー。将来の夢より恋愛を優先したくなっちゃう時あるよねー」
頷きながら、ひなが言うのでわたしは思わず顔が急に熱くなってしまった。
というか、『まだ学生だもんねー』って自分だってそうなのにまるで社会人みたいな言い方をしてるし……!
「ひ、ひな……!」
恥ずかしかったけれど、やっぱり『好き』と言われたいことに、変わりなかった。
思わず、わたしは短冊を飾りながらすぐそばにはいない人に対しての、願い事をしてしまった。
キミから『好き』と、聞けますように。