キミから「好き」と、聞けますように。
「紗雪ちゃんは、七菜ちゃんのこと知ってる? 寛太の姪っ子」
「うん! 可愛いよね」
「そうそう! あたしね、七菜ちゃんの赤ちゃんだった頃の写真、今も持ってるんだ! スマホにあるから見せてあげる!」
紫杏ちゃんが出したスマホに写っているのは、おくるみにくるまっている、赤ちゃんの写真。
これが赤ちゃんだった時の七菜ちゃんなんだ!
「わぁ〜可愛い〜!」
「そうそう! 可愛いでしょ! これも」
そう言って、紫杏ちゃんはスマホに指を滑らせて、別の写真を見せてくれた。
今度は、中学生くらいの女の子が七菜ちゃんを抱っこしている写真だった。
「この女の子って……」
「あたしだよ」
「中学生の頃の紫杏ちゃん!?」
「そう! あたしがね、七菜ちゃんのお母さんに『抱っこさせてください!』って頼んだの。そしたら、抱っこさせてもらってる様子を写真で撮ってくれたんだ!」
「へぇー、可愛いー」
いいな、いいな。
東條くんの幼なじみというだけでも羨ましいのに、赤ちゃんの頃の七菜ちゃんを抱っこしたこともあると知ると、ますます羨ましくなってしまう。