キミから「好き」と、聞けますように。

わたしは別に何も喋っていないのに、どうやらそれが本当だとひなにはバレてしまったみたい。



『あはは、やっぱし! だーから、2人っきりに何かさせようかなって思ったのよ、わたし!』



「2人っきり、か……」



『……? どうしたの?』



わたしの切ない呟きに、ひなは不思議そうな声を出す。



「あのさ……」



わたしは正直に、昨日出会った紫杏ちゃんについてひなに話すことにした。



『えー、幼なじみかぁ』



さっきの楽しげな様子はなくなり、ひなも深刻そうな声を出す。

ひなでもこうなっちゃうってことは、やっぱりわたしは東條くんに幼なじみがいることを知って、モヤモヤしちゃうのは当たり前だったのかな。



『でもさ、幼なじみとしか言ってないんだったら、付き合ってないと思うよ? 幼なじみという関係から付き合うって話は、わたしも聞いたことはあるけどさ、付き合っていたら普通に東條くんだって、彼女って紹介するでしょ』



……それはそうだと思う。

だけど、いや、だからこそ、わたしの心にあるモヤモヤは消えない。

付き合っていないなら、あんまり東條くんのものにでもなったように、近くにいないでほしい。


いい人に対して、心の中でそんなお願いをする自分が、とんでもなく大嫌い。




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